三宮でギャラリータピエスという画廊を経営していらっしゃる塚田清さんが、長年の登山歴の中で撮りためた山の写真の展覧会を開催中である。私は先週の木曜日(22日)に訪れた。ご案内を頂く前に絵葉書と写真集を同時に出版されて送ってきて下さったのだが、雪に包まれていたり、花が咲き乱れていたり、あるいは雲海の中に聳えていたり、さまざまな山の表情が写されている。(塚田清写真展「山の手帳」11月30日まで。神戸市中央区琴の緒町4−7−7 アートギャラリータピエス TEL.078−252−1808)
ちょうど詩誌「惟」に空海を巡る旅の連載を書いていて、山の専門家に伺ってみようと思い、四国の石鎚山のことを聞いてみた。ただ何となくどんな山かを聞いたつもりだったのだが、話しているうちに雲行きが怪しくなってきて、「絶対に登らないと!」と発破をかけられる始末になった。「無理ですよ。登れないと思います。」と言っても、塚田さんには通じない。「まず近所の低い山から始めなさい。最初から頂上まで登らなくてもいいから、行けるところまで行って、今日はこれ以上は無理と思ったら、引き返せばいい。ただ毎日続けることですね。」そう忠告されたものの、まだ決心がつかず、山歩きの第一歩を踏み出せないでいる。
その代りという訳ではないが、ネットで石鎚山と須磨アルプスを調べてみた。石鎚山は四季折々の風景や、生き物の写真が美しく、心惹かれるものがある。本当に気候がいい時に時間をかけてゆっくり歩くのなら行けるかもしれないという気持ちと、無理無理!という声とが交互に私の中で現れたり消えたりしている。私の住んでいる家のすぐ裏山に登ると、そこから須磨アルプスへの道へ出られるので、そこから始めようかと考えたりしているこの頃である。でも年末年始にかけてはスケジュールが詰まっていて、いずれにせよ来年の話なのだから、鬼が笑うかもしれない。(写真はすべて塚田清「山の手帳」より)