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    プリズム・ラグ

    • 2011.06.18 Saturday
    • 02:59
    JUGEMテーマ:アート・デザイン             P1040801.JPG                                 もうかなり日が経ってしまったのですが…、     6月9日、アルバムに掲載している大山崎山荘美術館に出かけました。
     「プリズム・ラグ―手塚愛子の糸、モネとシニャックの色」と名付けられた展覧会が開催中でした。
     手塚愛子さんはもともと油彩画を専門に学んで来られた方のようですが、この展覧会の作品はすべて織と刺繍で制作されています。もともと糸や布が好きだったこともあって、私は一目で彼女の作品に惹かれてしまいました。
     油彩画では光は画面の上、あるいは中に固定されてしまいますが、作品の織と刺繍、そしてそれを支える布から自由に飛翔する糸の揺らぎと陰影が、彼女だけが創り出す色と光の世界を生み出しています。

     経歴に京都市立芸術大学大学院美術研究科とありますが、何故かその文字を見ながら私は京都の西陣を思い出しました。
     明治5年11月に、西陣から佐倉常七、井上伊兵衛、吉田忠七という織工さん達が、フランスのリヨンに旅立ち、彼等によって紋織機ジャガードと、その織法がもたらされ、現在もなおその技法が西陣を支えているということです。
     手塚さんが西陣と関わりがあったかどうかわかりませんが、彼女の織の作品を見て、。思わずリヨンの絹織物を連想してしまいました。もちろんリヨンでも西陣でも織工さん達は、手塚さんのように織の中の糸をこのように溢れさせたり、こぼれさせたりは決してしないでしょうが…。
     いずれにせよ、手塚愛子さんの仕事をこれからもずっと見守ってゆきたいと考えています。

    カンディンスキーと青騎士

    • 2011.06.04 Saturday
    • 02:11
    JUGEMテーマ:アート・デザイン
    kanddinsky.jpg 兵庫県立美術館で開催されている「カンディンスキーと青騎士」展を見に行った。その中心となったヴァシリー・カンディンスキーの 初期の具象作品をみていると、具象を具象として描くのではなく、むしろ彼の描きたかったものは色彩そのものであったようにも思える。
     1908年カンディンスキーとミュンターはミュンヘン近郊のムルナウで暮らすようになり、作品は具象から抽象へと移行し、表現主義、芸術的総合の追及へと発展してゆく。この当時の暮らしぶりを垣間見ることが出来る写真も多く展示されていて興味深かった。
     1909年以降、カンディンスキーは、通常「抽象への突破口」といわれる画期的な仕事を成し遂げた。対象を対象そのものとして捉えるのではなく、「外面的自然の印象」の造形的翻訳=「印象」(インプレッション)と、内面的自然の印象=「即興」(インプロヴィゼーション)、そして「コンポジション」という3つのカテゴリーに自ら分け始めたという。そうした作品の画像の変化を具に追える展示になっていて、具象作品からいかに表現主義的な抽象作品に移行していくのか、ということさえ知ることが出来る。
     カンディンスキーだけでなく、マルク、マッケ、クレーなどの作品も同時に展示されていて、一世紀を経てもなお、新鮮さを失わない作品群に感じ入るとともに、「対象」や「時事」を超えてこそ「芸術」となりうるのだということを、改めて深く思い知った。

    母の日のプレゼント

    • 2011.05.12 Thursday
    • 23:59
    JUGEMテーマ:アート・デザイン
    paulklee.jpg 子供が誘ってくれたので、大荒れの天候の中、京都国立近代美術館で開催されているパウル・クレー展に出かけました。
     入場券を買おうとすると、子供が「母の日のプレゼントに私が・・・。」と言ってさっさと切符売り場に。既に母の日は過ぎていたのですが、思いがけない言葉に、冷たい雨の中でほんのり心が温まりました。
     これまで何回かクレー展を見ましたが、今回は少し違って、クレーの作品の作り方に焦点が当てられているようです。素描と油彩転写画の対比。切断や再構成、分離によって作られた作品群。おもてとうらの両面から見ることが出来るように設えられた額縁。
     さらに驚くべきことにクレーは「特別クラス」と銘打って、それぞれのカテゴリーの作品を非売のまま手元に遺したそうです。それらの作品の一括展示と、彼が制作した5つのアトリエの写真も展示され、その制作過程を詳しく見ることが出来ました。子供の絵のような作品の裏には緻密な計算や工夫、卓越した技倆が潜んでいることを今更ながら知る思いでした。
     けれどそれでもなお、子供のように何を描いてもいいんだ、思いのままに描けばいい、というクレーの声も聴くことが出来たような気がします。久しぶりにものすごく絵が描きたくなりました。下手でもいい、どんなテーマでもいい、どんな描き方でもいい、ただ描きたいように描きたいものを描けばいい、そんな気持ちになりました。
     会場を出てミュージアムショップで絵葉書を物色していると、再び子供がプレゼントの追加をしてくれました。今日の展覧会のカタログです。しばらくの間、夜の楽しみが出来ました。

    オディロン・ルドン展

    • 2009.08.23 Sunday
    • 00:44
    JUGEMテーマ:アート・デザイン
      姫路市立美術館で開催されているオディロン・ルドン展を見に行った。岐阜県美術館所蔵の膨大な版画の数々が一挙に見ることができるチャンスである。
     初期の作品から、ほとんど見る機会がない、画家自身が非公開で所蔵していた油彩画まで、これまで見たことがない作品もたくさん見ることが出来た。
     圧巻はやはり数々の詩集などの書物の装丁に使われた多くの版画のシリーズである。『聖アントワーヌの誘惑』や『悪の華』など魅力的な作品群が並んでいる。 






                     

      美術館の建物は明治末から大正2年に建てられた、旧陸軍第十師団の兵器庫、被服庫を保存活用したもので、国の登録有形文化財に登録されている。

     オディロン・ルドン展 2009年7月10日(金)〜8月30日(日)

           姫路市立美術館 
    http://www.city.himeji.lg.jp/art/index.html
                                                                        



      帰りに街の中を歩き、姫路城の城壁の端の辺りまで散策し、改めてその大きさに驚いた。
     城壁の中の遊歩道の石榴(ざくろ)の木がたわわに実っていた。

    (字が小さくて読み辛いと思われる方は、ご自分のPCで、[Ctrl](コントロール)を押しながら[+](プラス)を押して、ちょうど良い大きさにしてお読み下さい。)

    山本 萠 個展

    • 2009.07.18 Saturday
    • 22:57
    JUGEMテーマ:アート・デザイン
      山本 萠(もえぎ)さんの個展が、神戸三宮の山手、ハンター坂の「ギャラリー島田1F deux」で開かれている。左の絵は案内状に印刷された「かなしむ月」。
     8年前、亡くなられた田口義弘さんを通じて彼女と知り合ったが、実際にお会いするのは今回が初めてである。どうしても最初は田口さんの話題になった。そしてまた萠(もえぎ)さんは、私の知らない頃から「貝の火」の熱心な読者であったと話して下さる。
     下のモノクロの絵は「飛翔準備完了」というタイトルである。
     今回は絵だけの個展だったが、彼女は絵だけでなく、書も詩も写真も、あるいは私の知らないもっと他のありとあらゆる手段で作品を作る。それらはすべて、彼女にとっては「表現」という名の一つの営為である。
     さらに新しい作品を生み出す度に、彼女は新しい表情、新しい姿を見せる。
     その画面には優しさ、儚さと同時に、鋭さ、強靭さがあり、大胆さとともに繊細さが漂う。

     丸い柱に取り付けられた上の絵は「あなたのいる街」。見る人それぞれの心の中に焼き付いた思い出の街を表わしているようだ。
     会期中、一人でも多くの人に見て頂いて、それぞれの心象を重ねてみてほしいと思う。

    「山本萠個展」2009.7.18(土)〜23(木)12:00-19:00
    *火曜日は-18:00、最終日は-16:00(作家在廊7/18、19、20)
    ギャラリー島田1Fdeux 神戸市中央区山本通2-4-24
    リランズケート1F  Tel.078-262-8058
    http://www.gallery-shimada.com(リンクの欄にも書いています。)

    柳田三千子自選画集

    • 2009.01.25 Sunday
    • 01:09
    JUGEMテーマ:アート・デザイン

     春陽会会員の画家、柳田三千子さんから一冊の画集が届いた。「私なりに50余年」というサブタイトルがついた『柳田三千子自選画集』。
     黒を主体とし、青、赤、黄、ローズなどの色を利かせた、鋭いタッチの構図である。意識的に敢えて情緒を切り捨てたと言ってもいい。
     実は十五年前、私は春陽会の研究会に入会させて頂き、100号の油彩を描いては、大阪上本町の会場まで運んで行って、先生方の手厳しい批評を頂くという日々を3年ほど繰り返した。学生の時以来、誰かに教えてもらったり、叱られたり、という経験は皆無だったので、逆にものすごく新鮮で、毎回酷評されても、懲りずに通って行った。そんな先生方のなかに、柳田先生もいらっしゃった。
     研究会の折に頂いた幾つかの言葉のなかに、今でも覚えている柳田先生の言葉がある。一つは私の作品が情緒的だったことに対する否定、もう一つは「男の人のなかで女が対等に作品で競い合っていくためには、必要以上に画面を抑制しなければならない。」ということだった。もちろんずいぶん昔のことなので、この通りの言葉ではなかったと思う。
     画集を頂いて初めて先生の生年を知り、成程、この覚悟があってこそ、この時代に男性の画家と互角に渡り合って行かれたのだな、と改めて感心した。
     そして落第した研究生であった私を、今まで忘れずにいて下さり、画集もお送り下さったことに驚き、心から感謝している。

     画集のなかで私が一番好きな作品は?と思って選んでみたら、偶然、表紙の作品だった。


    「いろいろな景色」 193.9×130.3僉1995


     そしてもう一つは、 「存在する」 193.9×130.3僉2002


    僅かに入れられたピンク・マダー(だろうか?)と、黒のなかに潜んでいるブルーの色に感銘した。

     どうかいつまでもお元気で、素敵な作品を描き続けて行って下さるようにと、心から祈っている。

    生活と芸術―アーツ&クラフツ展

    • 2008.10.24 Friday
    • 23:57
    JUGEMテーマ:アート・デザイン

      京都国立近代美術館で開催されている「生活と芸術―アーツ&クラフツ展」を見に行った。
    「ウィリアム ・モリスから民芸まで」という副題が付いているように、19世紀後半にイギリスで興ったデザイン運動「アーツ&クラフツ」を、ウィリアム・モリスを中心とするイギリス、ウィーン工房を中心とする中央ヨーロッパ、さらに柳宗悦を中心とする日本の民芸運動の作品が展示されている。



      以前にも何度か見たことがあるが、自然の中に生活し、その自然をふんだんに取り入れたイギリスの生活の中の芸術や手仕事は、歳月を隔てた今も少しも色褪せていない。それどころか殺伐とした現代社会の中でこそ、このようなあたたかな自然と、人のぬくもりを感じさせる多くの作品が、もう一度見直され、さらに新たな民芸運動が興り、研鑽を重ねて、現代の新しい「アーツ&クラフツ」を生み出す必要性を強く訴えるものであった。
      ウイーン工房の作品は同じ主張をもった芸術運動が、国が変わることでこのように変わるものかと、不思議な思いに捉われた。
      日本の民芸運動は今も民藝館や大原美術館などで度々目にすることが出来るが、今回展示されていた「三国荘」の再現展示によって、実際の生活の中での民芸を感じることが出来る貴重な機会となっている。
      もちろん今も多くの創り手たちが存在し、多くの展示会などで作品を見ることが出来るが、ひとりひとりがそれぞれの生活の中で、自然や伝統を見直し、もっと身近で素朴な新しい芸術や手仕事を生み出すことから、現代社会の中で、失われた人間性や尊厳がもう一度取り戻せるのではないかという思いがした。

    大安寺と「西国三十三所観音霊場の祈りと美」展

    • 2008.09.14 Sunday
    • 11:36
    JUGEMテーマ:地域/ローカル

     9月9日に再び奈良を訪れた。まず前回に時間切れで行けなかった大安寺へ。 現在の門がある場所に、かつては南大門があったのだという。平城京の朱雀門を南にまっすぐ下がると、この大安寺が壮大な威容を誇っていたということになる。門を潜るとその前には中門跡の石碑がある。
      辺りを見渡しても、古代の面影は見出すことが出来なかったが、現在は発掘調査が進んでいて、境内の南に東塔と西塔の跡が確定され、60メートルを越える巨大な塔であったと推測されている。
      聖徳太子の創建の飛鳥の「熊凝精舎」からはじまって、百済大寺、高市大寺、さらに平城遷都によって移建され、大官大寺として国際交流をも果たしていた。 


      境内の奥に歴代住侶の供養のための五輪塔が建てられていて、遣唐僧であり三論宗祖の道慈、東大寺の大仏開眼を司ったインド僧菩提僊那(ぼだいせんな)や、ベトナム、唐から渡来した僧の名前や、空海の師と言われる勤操(ごんそう)、そして空海の名も碑に刻まれている。
      現在も多くの参拝者が訪れているが、そのような歴史の探訪者ではなく、このお寺が「癌封じ」で知られているからのようだ。
     

      












     そこから奈良公園に戻り、奈良国立博物館で開催されている「西国三十三所観音霊場の祈りと美」という展覧会を見る。平日にもかかわらず、かなりの人混みで少し驚く。もちろん年齢層はかなり高いのだが。普段は滅多に見ることが出来ない秘仏も展示されているせいか、僧衣の方々、日本だけでなく、チベット僧と思われる人も目につく。
      普通の展覧会と違うところは、此処彼処でそれぞれに、いかにも親しげに、あるいは旧知のそぶりで、連れ立ってきた人々が蘊蓄(うんちく)を傾けているところだろうか。
      近来「葬式仏教」と言われるようになったものの、まだまだ仏教は一般民衆の中に根強く「信仰」として息づいているのかもしれない。


                                                             
                           
      
                                                  

    三日間の充電―その3 マティスとボナール

    • 2008.07.04 Friday
    • 10:00
    JUGEMテーマ:アート・デザイン

     7月3日(木)最後の日になった。朝10時にチェックアウトし、荷物を預けて品川駅に向かう。横須賀線で逗子へ。途中、北鎌倉や鎌倉を通る時に、高野喜久雄さんや<金井直さんのことが思い出されてならなかった。逗子駅で横浜から来る友人と待ち合わせ。彼女は中学・高校の同級生で、4年間寄宿舎での日々を共にしたのであった。昨年同窓会でほんの少し言葉は交わしたものの、10年以上もゆっくり会うことが出来ないままだった。一便後の電車で彼女が到着。感激の対面!!?? お互いにすぐ分かって、ちっとも変っていないことに感動!  バス停で待っている間も、バスに揺られている時も、とにかくずっと話は続く。三ケ丘というバス停で降りるとすぐ前に神奈川県立近代美術館葉山がある。バスを降りた時から海の匂いがする。既にお昼を過ぎていたが、先に絵を見ることにする。
      「マティスとボナール ―地中海の光の中へ―」という展覧会。私が絵を習い始めた頃の師である藤井二郎の一番好きな画家がボナールだった。彼の作品のかなりの部分にボナールの影響が見られる。展覧会は親しい友人でもあったマティスとボナールの作品を、年代順に並べてあるものだった。展覧会のカタログには「この展覧会は、アンリ・マティスとピエール・ボナールの友情にひとつの光をあてて企画されている。」と書かれている。またレミ・ラブリュスが「星の友情」と題した評論を書いていて、その中には次のように書かれている。

       「ふたりの関係は星々の友情になぞらえられるだろう。この「星の友情」についてはニーチェが1882年の『悦ばしき知識』の中の有名な文章で、それが偉大な芸術家のあいだで可能な唯一の友愛の様態を形づくるものだと語っている。」

       「ふたりの友人たちそれぞれにとって、相手の作品には、言葉にできない理解不能なものがある。この神秘こそが、互いの敬意とともに互いを惹きつける魅力を、距離の上に築かれた友情を、育んだのである。」

      初期のボナールは、画家仲間から「日本かぶれのナビ」とからかわれていたという。≪山羊と遊ぶ子供たち≫≪リンゴつみ≫などの作品は、確かに東洋的で静かな画面で全く違和感を感じることのない穏やかさに満ちている。
      マティスの初期の作品においてはある時期からはっきりとフォービズムに向かっていく作風が見てとられ、興味深いものがある。そしてそこからさらに装飾への偏愛へと向かっていく様を見ることが出来る。
      ボナールの≪薄明かりの中の花瓶≫≪白いブラウスの少女≫などは、本当に藤井二郎の作品を彷彿させるもので、私には懐かしいものだった。
      ≪花咲くアーモンドの木≫は1946年の春に描き始められ、1947年に没するボナールの絶筆となった作品である。死の数日前にもボナールは、この作品に手を入れたという。彼はル・カネの自宅の庭に咲くアーモンドを毎年のように描いたのであった。
      同様に私はかつて毎週通い続けた藤井二郎のアトリエの庭を思い出す。そこには画家が自ら植えた大きなリラの木があった。彼もまた毎年その木を描き続けたのだった。

      私がマティスの絵に惹かれたのは、かなり後になってからだった。多分12年程絵が描けなくて、もう一度再開しようと決心し、春陽会の研究会に通い始めた頃だったと思う。二科展に出品していた頃のような具象の風景画を描くことに物足りなさを感じ、現代の抽象画に惹かれ始めた頃だった。
      この展覧会でも≪緑の大理石のテーブル上の静物≫のあたりから、マティス自身の作風が変わって来ることが分かる。これまでよりももっとシンプルに、より平面へと向かって行くのである。またこの頃の素描にはピカソの作品と相通じるものを感じられる。素描のなかで今回見た≪プラタナス≫は本当に素晴らしいものだった。
      1948年からマティスはヴァンスのドミニコ会修道院ロザリオ礼拝堂の装飾に着手し、1951年6月に完成。しかし彼は体調が思わしくなく、献堂式には出席することが出来なかった。しかし素描と1946年から始めた切り絵の制作は1954年に亡くなるまで、ずっと継続されていた。

        展覧会を見てから美術館の中にある「レストラン オランジュ・ブルー」で遅い昼食を取る。ここのレストランは席数が少なく、予約してから1時間以上もかかった。しかし待っている間、敷地内の遊歩道を歩いたり、海を見ながらテラスで座って話したりできるので、そんなに苦にはならなかった。ミュージアムショップを見てから再びバスに乗り、今度は葉山マリーナの横のバス停(鐙摺)で降りて「ラ・マーレ・ド茶屋」でお茶を飲む。1時間程して再びバスで逗子駅へ。
      この後は少しハプニングに見舞われた。横須賀線が事故で、逗子駅で列車が足留を食ってしまった。かなり待ってようやく発車。さらに大船駅からはピストンに切り替わり、そこから先は東海道線に乗り換えなければならなかった。結局予定より1時間ほど遅れて、それでも何とかその日の内に神戸の自宅に帰り着いた。

    三日間の充電―その2 ルオー展ほか

    • 2008.07.03 Thursday
    • 20:49
    JUGEMテーマ:アート・デザイン

      7月2日(木)は丸の内の帝劇ビルの9階にある出光美術館へ。没後50年の大回顧展が開催されている。初期の作品から初公開の未刊行版画作品群まで、約230点の展示である。初期の油彩画では「辱めを受けるキリスト」が印象に残った。
      圧巻はやはり連作油彩画≪受難PASSION≫である。これはフランスの詩人アンドレ・シュアレスによる宗教詩『受難』の木口木版画挿絵の原画をもとに制作されたものである。なかでも“ここに、一つの世界が幕を下ろして消え失せ、別の世界が生まれる”と書かれた<受難>30、(ゴルゴタの山に立つ三本の十字架が描かれている。)“彼はお前のためにも来たのだ・・・”と書かれた<受難>36、(髪に花を飾った横たわる聖娼婦が前に描かれ、中央には磔刑図のキリストの象徴であるサクレ・クール(聖心みこころ)が描かれている。)に特に心惹かれた。

      エレヴェーターで下に降りて外に出ると、向かいの第一生命ビルの入口に「脇田和版画展」の案内が出ていて、ついでにそれも見に行った。柔らかで優しく洒脱な作品に心が和んだ。玄関の脇に「マッカーサー指令室は現在警備のために閉鎖しております。」という看板が出ていて、逆にいつもはかつての指令室が見学できるのだということを知る。次に出光美術館に来ることがあったら、今度は見学しに来ようと思う。
      そこからほんの少し御堀端を歩き、東京会館へ。受付でお花を頼んでおいてから、カフェで軽い昼食を頂く。それでもまだ時間があったのでマロンシャンテリーを追加。ゆっくり憩んでから再び受付に行き、フローリストから届いた花を受け取る。
      次の目的地は四谷のイグナチオ教会。信徒会館の受付で場所を教えて頂いて、地下聖堂のイエズス会共同墓地へ向かう。大きな木のドアをはさんで白い壁があり、そこに銀色のネームプレートが取り付けられている。霊名と姓名、誕生日から命日までの日付が刻まれている。昨年12月に亡くなられたK神父様の墓参に伺ったのだが、その刻まれたお名前を見て、ようやく亡くなられたことを実感する。その前に持参した花を置いてお祈りする。プレートのほとんどが外国の神父様方のお名前で、こんなに日本人の神父様は少ないのだと今更ながら思ったりする。
      教会の主聖堂でお祈りしてから、聖三木図書館に行き、かくれ切支丹関係の書籍を借りる。ちょうど午後3時だったので、S神父様にお会いし、SJハウスの応接間に移動して1時間ほどお話を伺う。滅多にお目にかかることは出来ないのだが、ここに元気でいらっしゃるのだと思うだけで、なぜか励まされる思いがする。
       午後4時頃にお別れして、四谷から丸の内線で中野坂上まで行き、大江戸線に乗り換えて、新江古田で降りる。前以て印刷しておいた地図を頼りに一衣舎さんに向かう。ところがどうやら地下鉄から上る時に反対側に出てしまったらしく、地図通りに(と本人は思っていた)進むと思ってもみないところに着いてしまい、間違ったと気づき、通りがかりの人に地図を見せて訊ねてみる。やはり反対側で、もう一度やり直し。それでも何とか午後5時過ぎには辿り着くことが出来た。
      染織家の吉田美保子さんと一衣舎さんで待ち合わせ、着尺を見せて頂く約束をしていたのだった。一衣舎の木村さん御夫妻とは旧知の間柄だが、吉田さんとは初めての出会いである。それでも何度かメールや電話で遣り取りしていたので、何だかずっと以前からの友人のようで、初めてのような気がしない。赤い自転車の籠に風呂敷で包んだ着尺と、新作のアイディアに満ちたヴィヴィッドな色合いの絹のショールを載せて、彼女は駆けつけて来てくれた。染織を始めて15年なのだという。最近はようやく染織だけでギリギリ食べて行けるようになったと、笑って話してくれる彼女の表情はどこまでも明るい。今年の秋にはガラスの作家と一緒にシルクのショールばかりの展覧会をするという。また日取りが決まったら、このブログでも紹介したいと思う。
     吉田美保子さんのブログ [some origin] http://someori.cocolog-nifty.com/note/
    (リンクの欄にも書いています。)



      


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    辞書

    ☆〔五大ごだい〕地・水・火・風・空の五つをいう。一切の物質に偏在して、それを構成するもととみて大という。 ☆〔六大ろくだい〕仏教用語で、万物を構成する六つの要素。地・水・火・風・空・識。六界。密教では法身大日如来の象徴とする。 ☆〔識しき〕仏教用語で、対象を識別する心のはたらき。感覚器官を媒介として対象を認識する。六識・八識などに分ける。 ☆〔法身ほっしん〕仏教用語で、永遠なる宇宙の理法そのものとしてとらえられた仏のあり方。

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