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    三日間の充電―その3 マティスとボナール

    • 2008.07.04 Friday
    • 10:00
    JUGEMテーマ:アート・デザイン

     7月3日(木)最後の日になった。朝10時にチェックアウトし、荷物を預けて品川駅に向かう。横須賀線で逗子へ。途中、北鎌倉や鎌倉を通る時に、高野喜久雄さんや<金井直さんのことが思い出されてならなかった。逗子駅で横浜から来る友人と待ち合わせ。彼女は中学・高校の同級生で、4年間寄宿舎での日々を共にしたのであった。昨年同窓会でほんの少し言葉は交わしたものの、10年以上もゆっくり会うことが出来ないままだった。一便後の電車で彼女が到着。感激の対面!!?? お互いにすぐ分かって、ちっとも変っていないことに感動!  バス停で待っている間も、バスに揺られている時も、とにかくずっと話は続く。三ケ丘というバス停で降りるとすぐ前に神奈川県立近代美術館葉山がある。バスを降りた時から海の匂いがする。既にお昼を過ぎていたが、先に絵を見ることにする。
      「マティスとボナール ―地中海の光の中へ―」という展覧会。私が絵を習い始めた頃の師である藤井二郎の一番好きな画家がボナールだった。彼の作品のかなりの部分にボナールの影響が見られる。展覧会は親しい友人でもあったマティスとボナールの作品を、年代順に並べてあるものだった。展覧会のカタログには「この展覧会は、アンリ・マティスとピエール・ボナールの友情にひとつの光をあてて企画されている。」と書かれている。またレミ・ラブリュスが「星の友情」と題した評論を書いていて、その中には次のように書かれている。

       「ふたりの関係は星々の友情になぞらえられるだろう。この「星の友情」についてはニーチェが1882年の『悦ばしき知識』の中の有名な文章で、それが偉大な芸術家のあいだで可能な唯一の友愛の様態を形づくるものだと語っている。」

       「ふたりの友人たちそれぞれにとって、相手の作品には、言葉にできない理解不能なものがある。この神秘こそが、互いの敬意とともに互いを惹きつける魅力を、距離の上に築かれた友情を、育んだのである。」

      初期のボナールは、画家仲間から「日本かぶれのナビ」とからかわれていたという。≪山羊と遊ぶ子供たち≫≪リンゴつみ≫などの作品は、確かに東洋的で静かな画面で全く違和感を感じることのない穏やかさに満ちている。
      マティスの初期の作品においてはある時期からはっきりとフォービズムに向かっていく作風が見てとられ、興味深いものがある。そしてそこからさらに装飾への偏愛へと向かっていく様を見ることが出来る。
      ボナールの≪薄明かりの中の花瓶≫≪白いブラウスの少女≫などは、本当に藤井二郎の作品を彷彿させるもので、私には懐かしいものだった。
      ≪花咲くアーモンドの木≫は1946年の春に描き始められ、1947年に没するボナールの絶筆となった作品である。死の数日前にもボナールは、この作品に手を入れたという。彼はル・カネの自宅の庭に咲くアーモンドを毎年のように描いたのであった。
      同様に私はかつて毎週通い続けた藤井二郎のアトリエの庭を思い出す。そこには画家が自ら植えた大きなリラの木があった。彼もまた毎年その木を描き続けたのだった。

      私がマティスの絵に惹かれたのは、かなり後になってからだった。多分12年程絵が描けなくて、もう一度再開しようと決心し、春陽会の研究会に通い始めた頃だったと思う。二科展に出品していた頃のような具象の風景画を描くことに物足りなさを感じ、現代の抽象画に惹かれ始めた頃だった。
      この展覧会でも≪緑の大理石のテーブル上の静物≫のあたりから、マティス自身の作風が変わって来ることが分かる。これまでよりももっとシンプルに、より平面へと向かって行くのである。またこの頃の素描にはピカソの作品と相通じるものを感じられる。素描のなかで今回見た≪プラタナス≫は本当に素晴らしいものだった。
      1948年からマティスはヴァンスのドミニコ会修道院ロザリオ礼拝堂の装飾に着手し、1951年6月に完成。しかし彼は体調が思わしくなく、献堂式には出席することが出来なかった。しかし素描と1946年から始めた切り絵の制作は1954年に亡くなるまで、ずっと継続されていた。

        展覧会を見てから美術館の中にある「レストラン オランジュ・ブルー」で遅い昼食を取る。ここのレストランは席数が少なく、予約してから1時間以上もかかった。しかし待っている間、敷地内の遊歩道を歩いたり、海を見ながらテラスで座って話したりできるので、そんなに苦にはならなかった。ミュージアムショップを見てから再びバスに乗り、今度は葉山マリーナの横のバス停(鐙摺)で降りて「ラ・マーレ・ド茶屋」でお茶を飲む。1時間程して再びバスで逗子駅へ。
      この後は少しハプニングに見舞われた。横須賀線が事故で、逗子駅で列車が足留を食ってしまった。かなり待ってようやく発車。さらに大船駅からはピストンに切り替わり、そこから先は東海道線に乗り換えなければならなかった。結局予定より1時間ほど遅れて、それでも何とかその日の内に神戸の自宅に帰り着いた。

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      コメント
      とっても 楽しかったです。いい時間となりました。そして 写真があまりにもよく撮れていたので感動しました。やはり旬って大事ですね。すぐに書く。むかし 英語の先生に“あなたはLazyだ”とよくいわれたことが またしても証明されました!私にとってあなたは 大事な?いや必要な友人です。ヨロシク!
      • mitto
      • 2008/07/12 11:45 AM
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