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    絵で読む宮沢賢治展

    • 2008.08.30 Saturday
    • 17:39
    JUGEMテーマ:アート・デザイン
        

      大丸神戸店で開かれている「絵で読む宮沢賢治展」を見に行った。ずっと前に名古屋で賢治の展覧会を見た時は感動したが、今回はその時のような特別な思いを抱くことはなかった。 以前も「モディリアニ」や、「星の王子様」など大丸の展覧会を見て同じように思ったことだが、企画している会社の方針なのだろうか、ここの展示は確かに普及にはなっても、美術や文学を見て感動する、ということからは遠いような気がする。
     
     それでも賢治の原稿や手紙、手帳、水彩画などを見ることが出来るのは素敵なことだし、本人の作品の倍以上のスペースを取って、絵本やその原画が展示されているので、いわさきちひろ、司修、三橋節子などの作品も見ることが出来る。
     
                  わたくしといふ現象は
                 仮定された有機交流電燈の
                 ひとつの青い照明です
                 (あらゆる透明な幽霊の複合体)
                 風景やみんなといっしょに
                 せはしくせはしく明滅しながら
                 いかにもたしかにともりつづける
                 因果交流電燈の
                 ひとつの青い照明です
                            (心象スケッチ『春と修羅』 「序」 より)

    染織展の案内と女子サッカー・ソフトボール他

    • 2008.08.21 Thursday
    • 23:37
    JUGEMテーマ:日記・一般
      

      染織家の吉田美保子さんから展覧会の案内を頂いた。「美しく透ける」というタイトルで、毛利夏絵さんのグラスと吉田さんのストールやクッションなどの小物による二人展である。

     9月1日(月)〜9月20日(土) 11:00〜17:00
     DADAKO exhibition・85 TEL.03−3774−6822
     〒143-0025 東京都大田区南馬込4−12−8
    (都営浅草線 西馬込駅下車 南改札を出て徒歩10分)
      http://www2.ocn/ne.jp/~g-dadako/
     
                                                                                      

       先月ルオー展に行った日に初めてお会いしたのだが、その後もう一度機会があって、お互いにそぞれがサントリー美術館の「小袖」展を見て、時間を定めて出口で会いましょうということになった。その後東京ミッドタウンの中のインド料理のレストランで、心行くまで食べて飲んで(私はソフトドリンクだが)話をした。   
       彼女は10年余り染織の仕事を続けていて、何とかそれだけで生活していこうと目下奮闘中である。ただでさえ昔のように着物を着る人が減っている今、着尺や帯を織っても必ず売れるとは限らない。しかも着尺が完成するまでには1か月半くらいかかるという。ただ織るだけなら半月ほどで織り上がるのだが、彼女の場合最初の発想の段階から何回もスケッチを重ね、糸を染め、それからやっと織り始めるのだ。
      昔は染織に限らず、そういう手仕事が当たり前のように此処彼処で行われていて、携わる人も多くいた。いわゆる「職人」と呼ばれる人を暗黙のうちに尊重していたともいえる。今はそういう人たちが本当に生き難い時代になった。効率や利便性、廉価のほうを選ぶ世の中になった。何とか昔のようにその人にしかできない仕事を大切に育む土壌が生まれないものだろうかと思う。 
                                                                        

     話は変わるが、今日一日、連絡待機のために家にいなければならなかったこともあって、丸一日オリンピックの番組を見て過ごした。卓球から始まって、サッカー、ソフトボール。いずれも日本の「なでしこ」たちの試合である。皆ひたむきで、一生懸命で、あきらめない。もしかすると「根性」は男子より女子の方がずっとあるのではないかとさえ思うほどだ。
     それにしても先に話した吉田さんにしても、オリンピックの選手たちにしても、日本の女の子は本当に強くなった!!

    東大寺・万燈供養会と春日大社・中元万燈籠

    • 2008.08.15 Friday
    • 23:06
    JUGEMテーマ:旅行

      一夜明けて8月15日。朝のテラスでコーヒーを飲み、ゆっくり過ごした後、チェックアウトをして奈良町へ。お盆でところどころお休みのところもあったが、元興寺を見てから、昼食は「豆腐庵こんどう」でお豆腐尽くし。とても美味しいのだが、全メニューが豆乳、湯葉、豆腐なので、そんなに量は頂いていないはずなのに、終わる頃には完全に食べ過ぎ状態になってしまう。
      食事の後は御霊神社、十輪院などを見て、町の此処彼処に点在するお店を覗く。しばらく歩いてあまりの暑さに耐えかねて、「野の花黄花」に入る。オミジャ茶と花梨のお茶を飲んで生き返る。これ以上歩く気がしないので、しばらくゆっくり休ませて頂くことにする。

      少し日が陰ってから、餅飯殿通りを抜け、三条通りを北に向けて歩き、春日野の県新公会堂まで歩く。旅の最後の夕食を県新公会堂の1階にある「能」というレストランに予約を入れていたのだった。ガラスを一枚隔てて雄大な若草山の風景が広がる。

      実はこれまでお盆の頃に旅行など行ったことがなかった。嫁いだ先が結構古い家だったので、お盆の行事があり、一族の親戚等もみんな集まり、休む暇などなかったのだ。そしてここ数年は身内に不幸が重なり、お盆は供養に追われていた。今年は珍しく落ち着いた年で、平和に日が暮れてゆき、お盆も墓掃除、墓参り、壇家寺のお盆参りが済むと解放されたので、万燈籠を見に行こうかという気になった。
      これまで春日大社の万燈籠は何度か行ったことがあるが、いずれも節分の時で、東大寺の万燈供養会は行ったことがなかった。娘とその友人と3人で出かけることにしたのだが、もともと人混みが嫌いでそういう所は避けていたので、驚いたのは娘の方だった。



      新公会堂を出る頃には夕闇が空を包んでいて、東大寺金堂(大仏殿)の鴟尾が遠目に美しかった。
      南大門の前には既に行列が出来ていて、しばらく待っていると少しずつ前へ進んでいく。そのころには陽も沈み、中門に近づくと開かれた窓から大仏様のお顔を見ることができる。中門を越えると一面に紙で作られた燈籠が並べられている。
      大仏殿の中へ入ると普段昼間に拝見する御顔とは違ったお顔のほとけ様たちを見ることができる。なぜかたくさんの蝋燭の明かりに照らされて、生きていらっしゃるような風情がある。
      大仏殿を出て、さらに二月堂へと向かう。最後の階段を上り、二月堂を仰ぎ見ると仄かな燈明の明かりが入ったたくさんの燈籠が回廊を飾っている。ここまで来るとさすがに静かで、眼下の街の灯も美しく、しばらくお堂の前に座って見つめていた。



      そこから若草山のふもとを歩き、春日大社へと向かう。かなり時間がたっていたので、参道の石燈籠の明かりは少し暗くなりかけている。以前に節分に来た時は真っ直ぐ本殿への道を上ることが出来たのだが、今回はかなり回り道をして若宮神社の前を通るように定められている。
      この若宮神社で初穂料を納めるか、あるいは春日大社の本殿の入り口で特別拝観料を払うと回廊の中へ入ることができる。それぞれの燈籠には皆異なった文様があって、ろうそくの灯に照らされてくっきりと浮かんで見える。
      節分の時に一度雪が降ったことがあって、私はその時の万燈籠がもっとも幽玄だと思うが、中元万燈籠も違った雰囲気でこれはこれで華やぎがある。

      実はこの後さらに「奈良大文字送り火」を飛火野から見ようと欲張って目論んでいたのだが、時間切れで間に合わなかった。逆に回ると全部見れたのに、と反省(??)しきりである。(大文字点火が午後8時。春日大社万燈籠は午後9時半まで。東大寺万燈供養会が午後10時まで。) 

    秋篠寺・平城宮跡と「なら燈花会」

    • 2008.08.14 Thursday
    • 22:27
    JUGEMテーマ:旅行

        我が家のお盆の行事は13日で終わったので、8月14日、15日と奈良へ1泊2日の旅行に出かけた。阪神高速から第二阪奈道路を抜けて宝来ICを出て秋篠寺へ。
     これまでに何度か訪れているが、なぜか今回が初めてのように、本堂への道の緑の美しさに感動した。

      久しぶりに伎芸天像に対面。この仏さまに最初にお会いしたのは高校生の頃だったが、世間の「時」はどんどん移ろってゆくのに、仏さまの時だけは何年たっても変わらないままだ。
     本堂の右手には菩提樹が植えられていて、たくさん実をつけていた。


                                                                                                        そこから車で平城宮跡に向かい、資料館を見る。
     
      これまで長岡京遷都の後、建物はそのままで寂れていったものとばかり思っていたが、説明を見ると平城京の都の資材を壊してそのまま長岡京の建築に使ったとのことで、そうなれば遷都の後の平城京の寂れ方は想像を絶する思いがする。
     現在は発掘が進み、朱雀門をはじめ大極殿の復元も進んでいる。それでもほとんどが大草原のままである。とはいえ、整備された現在とは違い、往時の荒れ放題の状態を思うと切ないものがある。
      その後、法華寺や不退寺も回ろうかと思っていたが、あまり時間もないので、そのまま宿泊先の奈良ホテルに向かい、チェックインしてしばらく休憩。夕方、猿沢池の傍の和食のレストランで夕食を頂く。



      その日は8月5日から始まっている「なら燈火会」の最終日だったので、会場を巡ることにする。
      猿沢池から五十二段会場を上り興福寺へ。ちょうど東金堂と国宝館が夜間拝観をしていたので、中へ入る。東金堂では鎌倉時代初期の作で桧の寄木造の国宝「文殊菩薩坐像」に殊に惹かれた。
      国宝館には有名な国宝阿修羅像をはじめ、千手観音像、弥勒仏半跏思惟像など多くの貴重な仏像が置かれている。私にとっては空海撰、橘逸勢筆による銘文が彫られた国宝「南円堂燈籠・火袋扉」(弘仁7年)が見られたことは幸いだった。
      そこからさらに奈良国立博物館の横を通り、浮雲園地、春日野園地、東大寺鏡池の会場を巡る。春日野園地の真ん中には手塚治虫の「火の鳥」のかたちに燈火がを並べられている。次に浅茅が原まで来ると竹籠と竹筒の明かりが組み合わせられている。そこから坂を下ると浮御堂に出て、ここではこれまでの喧騒から離れて、静かに水に映る明かりが楽しめる。
      あたたかな灯りを楽しんだ一夜だったが、人の多さと暑さには閉口した。ホテルに帰ってテラスで冷たい飲み物を口にして、やっと人心地がついたような気がした。

    今年最後の蓮の花

    • 2008.08.09 Saturday
    • 12:14
    JUGEMテーマ:日記・一般



     8月3日にもう一輪の蓮の花が咲き、三日間咲き続けていた。朝早くに花を開き、午前11時位になると花は閉じてしまう。日毎に開き方が大きくなり、咲き切った後ははらはらと崩れてゆく。
     友人に還暦を過ぎてから僧籍に入った人がいて、厳しい修行の時にはいつも心に蓮の花を抱いているという。

      空海の「秘蔵記」の中にも、次のような言葉がある。 「一には蓮華部。吾が自身の中に浄菩提心(じゃうぼだいしん)、清浄(しゃうじゃう)の理(ことわり)あり。この理は六道(ろくだう)・四生界(ししゃうかい)を経て、生死の泥中に流転(るてん)すといへども、而(しか)も不染不垢(ふぜんふく)なること蓮華の泥中より出生(しゅつしゃう)して、而も不染不垢なるが如し。仍(よ)って蓮華部と名づく。」
     (わが自身の中に清らかなさとりを求める心〔浄菩提心〕たる清らかな真理がある。この真理は地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天の六つの迷いの道や、胎生・卵生・湿生・化生(けしょう)の四生の世界を経て、生死の汚泥の中に流転しても、しかも汚染されず、垢されないようなものである。よって蓮華部と名づける。)

     咲き終わっても蓮の実は少しずつ大きくなってそのまま先に付いている。毎年お盆に供える花には、普段の月の花に加えて蓮の花か実を加えるのだが、今年はこの蓮の実を切って供えようと思っている。

     

    ひろしま Strings of Time ― 石内 都 写真展

    • 2008.08.01 Friday
    • 19:06
    JUGEMテーマ:地域/ローカル



     広島市現代美術館で開催されている石内都写真展「ひろしま Strings of Time」を見に行った。私の愛蔵している本の群れの中の1冊に、1993年に発行された石内都の『モノクローム』がある。1977年の「絶唱・横須賀ストーリー」から始まって、1991年の「MEN」までのすべてモノクロームの写真ばかりと、彼女自身のエッセイからなるこの書を手にして以来、私はすっかり石内都という写真家のファンになった。まるで哲学書かと思われるほど、この書には心の奥底に届く多くの言葉が散りばめられている。
      7月半ば、友人と一緒に大阪の国立国際美術館にモディリアーニ展を見に行き、そこで偶々併設展示されている石内都の「キズアト」の写真を見ることが出来た。そして「ひろしま」の写真展のことを知った。
     新幹線ののぞみに乗ると広島は思ったよりもとても近かった。広島市現代美術館のある比治山からは眼下に広島の街を望むことができる。
     展覧会は三つに分かれていて、まず石内都の「ひろしま」展、「Dome」展、ドーム:そのモニュメントをめぐるアーティストの試みと副題が付けられている。そしてもう一つは「ヒロシマ モナムール」、広島現代美術館のコレクション展である。

     
     広島市現代美術館 http://www.hcmca.cf.city.hiroshima.jp/web/index.html
        (リンクの欄にも書いています。)

     「ひろしま Strings of Time」は広島平和記念資料館に保存されている1万9千点の資料=「モノ」の中から石内が選んで写真に写したものである。パンフレットには彼女の言葉が書かれているが、その短い文には「夏の装い」というタイトルが付けられている。
     この展示ではほとんどがカラープリントである。彼女自身も言っているように、鮮やかな「夏の装い」を目の辺りにして、思わず「息をのむ。」何という美しさだろう。これらの愛らしく繊細なワンピースやブラウス、スーツなどが、未だ戦争が終わっていない、しかも終戦間近の朝に身に付けられていたということにも、意外さと不思議さを覚える。戦時下の緊急時にもなお、日々の生活をいとおしむ女性たち。少女を慈しむ母たちの心や視線さえもこの「モノ」たちは見るものに語りかける。

     肩の辺りが千切れてしまったジョーゼットの半袖ワンピースの布の襞や皺のひとつひとつに、作者の視線を感じる。赤いチェックのパフスリーブのワンピースは、斜め半分が黒く焼けている。青空色の地色に白と赤の丸紋のなかに黒の木版で描かれた一輪ずつの小さな花。シャツカラーの襟元には真っ赤な丸い玉の小さなボタンが輝いている。朝起きてこの服に手を通す時に、どんなに楽しく今日の一日を思ったことだろう。そしてやはりジョーゼットの水玉のワンピース。一瞬、風を受けてひらひらと裾を翻しながら歩いて行く女性の白い手、足、たおやかな項を見たように思った。 
     胸に迫って来るのは悲惨さよりも愛しさである。同時に手作りのあたたかさである。 この服を着ていた生身のひとたちのいのち。輝かしい日々。そして一瞬にして消えたそのいのちの歓びの光。
     これらの物言わぬ「モノ」たちを目前にして、今更ながら言葉の無力さを思った。
     

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    ☆〔五大ごだい〕地・水・火・風・空の五つをいう。一切の物質に偏在して、それを構成するもととみて大という。 ☆〔六大ろくだい〕仏教用語で、万物を構成する六つの要素。地・水・火・風・空・識。六界。密教では法身大日如来の象徴とする。 ☆〔識しき〕仏教用語で、対象を識別する心のはたらき。感覚器官を媒介として対象を認識する。六識・八識などに分ける。 ☆〔法身ほっしん〕仏教用語で、永遠なる宇宙の理法そのものとしてとらえられた仏のあり方。

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