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    吉野山 その1

    • 2009.04.30 Thursday
    • 00:33
    JUGEMテーマ:旅行
        

     もと来た道を戻り、吉野川を渡って吉野山を上る。大昔に来た時は花の盛りで狭い道で渋滞に堪りかねて、途中で車を降りて歩いた記憶がある。今回は既に花が終わり、葉桜のやわらかいそよぎの中を、気持ちよく登ることが出来る。しかも以前来た時にはなかった吉野山観光車道が出来ているので、広い道を楽にドライブ出来る。5月6日までは午前9時から午後5時まで一方通行の規制があるので、かなり回り道をしなければならない。やがて今夜の宿所である「竹林院群芳園」に着いた。チェックインし、しばらく部屋で休んだ後、まだ午後4時過ぎだったので奥千本まで登ることにする。

      もう一度大回りして観光車道に出てから先程通ったところから更に上へ登ってゆく。幸いそこまで行くと、まだほんの少し、白い山桜がソメイヨシノのは違う可憐な花を咲かせている。

     金峯(きんぷ)神社のところで車を降りる。吉野山の総地主神で、金鉱を守る金山毘古神(かなやまひこのかみ)を祀っている。
     本殿の横の階段を下りてゆくと、「義経隠れ塔」がある。頼朝方に追われた源義経が、ここに潜んでいたのだという。

                                                 元々は「大峯奥駈」修行のための塔である。新客と呼ばれる初めて加わった人は、この塔の中に入れられ、先達の後に続いて、真っ暗闇の中で秘歌を唱えながら堂内を巡るのだという。
     金峯神社の横から山道になる。その先に西行庵があるのだが、その日はもう夕暮が迫って来ていたので、かなり迷ったがあきらめることにした。その代り「大峯奥駈」の道をしばらく歩いた
    。(続く)

      

     



     

    龍門寺跡

    • 2009.04.27 Monday
    • 22:04
    JUGEMテーマ:旅行
      世尊寺(比蘇山寺)を出てから吉野山へ向かう前に、もう一つ行きたい場所があった。吉野山からは反対に位置する津風呂湖の北側に山口という集落がある。その村へ入ってしばらく行くと、吉野山口神社がある。鳥居の両脇には徳川吉宗の寄進による燈籠が二基置かれている。境内には吉野山口神社の本殿だけでなく、高鉾神社の本殿も置かれている。この高鉾神社は、元は龍門岳の山頂に祀られていたのだという。
    (下の写真は吉野山から龍門岳を望んだもの。)

     
     吉野山口神社の左側の道を集落の中へ入っていくと、やがて杉の木立が鬱蒼と茂る林道へ入る。そこからさらに上がり、舗装した道が途切れるあたりまで行くと、道の脇に「松喰い虫の被害のため、倒木の恐れあり」という木札が上がっている。これまでの道よりさらに細い地道になっているし、もし木が倒れてきたら・・・・などと考えて、少し広くなっているところを探し、車を降りて歩くことにする。
     昼間なのにほとんど陽が射さないほど大きな杉の森が延々と続く。道も落ち葉が積もり、湿ったままである。
     しばらく登って行くと道の右側に龍門寺跡の看板が立っている。
     龍門寺は白鳳期に義淵僧正が、国家安泰と藤原氏の繁栄を祈って建立し、当時隆盛を誇った神仙思想の中心であったという。前回に述べた神叡もまた義淵の弟子であった。かつて菅原道真も、藤原道長も、この寺に参詣したのだという。
     今昔物語には龍門寺には安曇、久米という二人の仙人がいて修行をしていたが、久米仙人が空に昇った時、吉野川で洗濯をしている女性を見て、落下してしまい、俗人に戻ってしまったという話が書かれている。
     久米仙人は聖武天皇の時代、東大寺大仏殿の建立の際、神通力で建設資材を運び集め、その褒賞として免田30町を賜り、久米寺を創建したという。
     出来ればそこから山頂まで登りたかったが、その日は時間がないので、途中で引き返し、吉野山へと向かうことにする。
    (続く)
     


    世尊寺(比蘇山寺跡)

    • 2009.04.26 Sunday
    • 23:01
    JUGEMテーマ:旅行
     4月22日〜23日、「惟」(ゆい)に連載している〈風の起こる処」―空海を巡る旅の取材のため、吉野方面に出かけて行った。

     神戸から阪神高速で松原JCTまで行き、阪和道へ、さらに南阪奈道路を終点まで行き、国道169号線へ。
     もうあと少し、というところで多分世尊寺の周りは何も無いだろうと思いつき、「道の駅」へ寄る。
     レストランに入る前に売店の方を覗くと、半分以上がみずみずしい生野菜と、可憐な花を咲かせている様々な山野草や、藤などの木々の苗まで販売している。採れたばかりの筍(たけのこ)が台の上に山ほど並べられていた。
     そこから10分ほどで、すぐに世尊寺に着く。石段を登って山門を入ると、盛りの時はさぞきれいだっただろうと思う桜が、今はすっかり葉桜になって風にそよいでいる。中門を入ると本堂の左右に見事な藤の花が咲いている。
     このお寺は5回も名前が変わっていて、最初が比蘇山寺、それから吉野寺、現光寺、栗天奉寺、世尊寺となり、現在に至っている。今は禅宗のお寺なのだという。
     奈良時代には僧・神叡を中心に「虚空蔵求聞持法」を修した「自然智宗」(じねんちしゅう)と呼ばれる山岳仏教の中心であった。
     ここへ来るまでは多分その時代のものは何も残っていないと思っていたのだが、驚いたことに、本堂の中へ入ると、本尊である樟の一木造りの阿弥陀如来座像は用明天皇の時代のものであり、次の間に安置された十一面観音菩薩立像もまた、推古天皇の頃の作だという。
     空海が最初に「虚空蔵求聞持法」を修したのも、おそらくこの寺だと思われるのだが、彼もまた仰ぎみたであろう御仏に出会えたことは思いがけなく、とても感動した。
     中門を出たところには東塔、西塔の跡があり、周辺には石楠花の花が満開だった。
    (続く) 
     
     

    枝垂れ桜

    • 2009.04.19 Sunday
    • 12:31
    JUGEMテーマ:日記・一般
     

     もうまもなく桜の季節も終わろうとしている。妙法寺公園の桜もすっかり葉桜に変わってしまった。20年ほど前に母屋の一部を壊して建てた、この家に移って来た時に植えた枝垂れ桜は、毎年見事な花をつけてくれる。これは七分咲きの頃の写真だが、今は盛りの時を過ぎ、緑の葉も出て、はらはらと落花の季節を迎えている。

     先週フランスから若い友人が来た時には、ちょうど満開の頃だったので、とてもよい花見が出来た。
    4月11日に東京に着いて、14日の早朝夜行バスで神戸に到着し、再び16日には夜行バスで東京へ移動。イースター休みなのでゆっくりできないのだという。
                                                                                  

     彼女は阪神淡路大震災の時、神戸に留学生としてやって来て、大学の寮に住んでいたのだが、私と娘と、我が家に滞在していたフィンランドからの留学生の3人で、フランス語を教えてもらっていたので、我が家にもよく泊まりに来ていたのだ。地震の後の家の片付けなども一緒に手伝ってくれた。

     一昨年ローマで会って以来の再会だった。今年の夏には教師同士の交換のシステムで、合衆国のフロリダに行くという。(彼女は現在パリの高校で英語を教えている。フロリダでは1年間フランス語を教えるのだという。)
     私はアメリカにはまだ行ったことがないので、ちょうどその間に行ってみようかといろいろ話をした。ヒューストンにあるロスコ・チャペルに行くのが長年の夢である。
     それにしてもまさか彼女がアメリカに行くなどということは考えてもみなかった。私もきっともう合衆国には行く事はないだろうと思っていた。生きている限り、いつ何があるかなどということは多分誰にもわからないのかもしれない。

    姫辛夷(ヒメコブシ)

    • 2009.04.10 Friday
    • 22:54
    JUGEMテーマ:日記・一般
     毎年ロウバイやミツマタが咲き終わった頃に、姫辛夷の花が咲き始める。ところが今年は待てど暮らせど1輪も花が咲かない。不思議に思って木のそばに行ってよく見ると、何と咲いているではないか。と言っても花弁が開く部分は全くなく、花萼(がく)の部分のところだけ辛うじて残っている。どうやら鳥に食べられてしまったらしい。花が咲いてからならわかるはずなので、もしかすると蕾のうちに皆啄ばまれてしまったのかもしれない。それにしても一本の木丸ごと食べるなんて・・・・・。
     そういえばパンジーの鉢も、一番最初に咲いた花は皆、こんな感じで芯の部分だけ残っていた。寒さが戻ったので凍えてしまったのかと思っていたのだが・・・・・。
     今週になってようやく二輪だけ、思いがけなく姫辛夷の花が咲いた。たった二輪だけの花は殊更可憐に思える。



     4月8日(水)〜14日(火)、大丸神戸店9階特設会場で「神戸の百人色紙展」が開催中です。私も出品しております。三宮、元町にお出かけになる際にはどうぞ御覧下さい。

    山野草

    • 2009.04.03 Friday
    • 16:38
    JUGEMテーマ:日記・一般
     まだ風は冷たいが、日差しはすっかり春になって、なぜか心が軽くなるような気がする。
     花の中では特に山野草が好きで、何年も前から毎年少しずつ植えているのだが、地上に出ている部分は冬の間はすっかり枯れて、毎年ちゃんと芽が出て、花が咲くのかどうか心配になる。

     この1週間で、そんな山野草たちが 一気に咲き出した。
    苧環(おだまき)は背の低いものと、この二色風鈴苧環という背の高いものとの、2種類が毎年咲く。
     



                                        


     イカリソウは最初はほとんど濃いワイン色の蕾なので、ほとんど茎の色と見分けがつかないが、花が咲くといきなりローズ色になって、周りの空気の色まで明るくなるような気がする。



      

     以前に植えたシラネアオイはピンクの花だったが、今年植えた株は紫の花をつけた。思ったより大きくて、風が吹く度に大きく揺れる。
     この花を見ていると、なぜか風の姿も見えるようで、山奥の風の音まで聞こえるようだ。
     
     誰もいない山の中で、ひっそりと咲く山野草は、ある意味で理想の姿の、ひとつのかたちである。
     これらの花を見ていると、「自足」(じそく)という言葉を思い出す。
     「生きる」ことが難しい現代において、花たちは「生きる」ことは自然なのだと教えてくれる。











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    ☆〔五大ごだい〕地・水・火・風・空の五つをいう。一切の物質に偏在して、それを構成するもととみて大という。 ☆〔六大ろくだい〕仏教用語で、万物を構成する六つの要素。地・水・火・風・空・識。六界。密教では法身大日如来の象徴とする。 ☆〔識しき〕仏教用語で、対象を識別する心のはたらき。感覚器官を媒介として対象を認識する。六識・八識などに分ける。 ☆〔法身ほっしん〕仏教用語で、永遠なる宇宙の理法そのものとしてとらえられた仏のあり方。

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