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    琴平から小豆島へ

    • 2010.04.25 Sunday
    • 01:08
    JUGEMテーマ:旅行        
     4月14日朝、ホテルのすぐ近くの道から金刀比羅宮へ歩いて行く。参道の大門を潜り宝物館を過ぎて少し行くと、目的の若冲「花丸図」修復記念特別展「百花若冲繚乱」の会場に着く。昨日芝居が終わってから、ホテルで全館共通チケットを購入したので、各会場の受付でスタンプを押してもらって入る。
     まず表書院の円山応挙の襖絵、奥書院の「百花若冲繚乱」、椿書院の田窪恭治の制作中の椿の障壁画などを見て歩く。若冲の襖絵の一つは第2会場の高橋由一館の一階に別に展示されている。いずれも大胆で緻密な意匠に驚かされる。
     会場を出ると本宮への道の途中に代参で有名な「こんぴら狗(いぬ)」の銅像が立っている。友人と二人で思わず記念撮影をしてしまった。
     本当は本宮まで頑張って登りたかったのだが、今日の予定にもう一つ、丸亀の猪熊弦一郎美術館を入れていたので、お参りはお預けにして、一度休憩することにする。表書院の方向と反対の方に資生堂パーラーが経営するカフェとレストラン「神椿」がある。入口のタイルには椿書院で制作中の田窪恭治さんの椿が、ブルー一色で描かれている。
     丸亀から高松港に向かい、そこからフェリーで小豆島に渡る。土庄港に着いた時はちょうど干潮の時刻になっていたので、港から銀波浦に立ち寄る。
     昔、大学の頃に一度、余島キャンプに参加したことがあった。それは日常から離れた別世界で、夜の明かりはランプだけで電燈もなく、滞在している間、本当に自然の中で過ごす素晴らしいひとときだった。その頃も干潮になると島と島との間が地続きになり、歩いて渡れる楽しい経験をしたのだが、その時には名前など付けられていなかったのに、今は干潮の時だけ現れるその道を、エンジェルロードと名付けられている。 

     夕方5時半を過ぎて大麻山を登り、西の瀧龍水寺で護摩行を体験する。ホテルに連絡してチェックインと夕食を午後八時半にしてもらって、小林龍應師もご一緒に夕食を頂く。宿泊先の「ネオオリエンタルリゾート小豆島」の支配人から伺った話によると、昨日までNHKの「八日目の蝉」の撮影をしていて、出演者が皆、このホテルに泊まったのだという。最後だったので、デザートの時にシェフも挨拶に出てきて下さって、「地産地消を目指していて、日々研究を重ねている。」と意欲を語って下さった。
     翌朝、ホテルを出て、まず醤油記念館に寄る。ものすごい冷え込みをものともせず、予定通り醤油アイスクリームに挑戦。キャラメルのような味に驚く。生憎の雨なので、車で一通りドライブをすることにして、星ヶ城や寒霞渓のあるブルーラインへと向かう。
     山上の道路に入った途端、辺りの景色は一変した。いきなり雨が吹雪に変わったのだ。傍らで桜が咲いているのに、その横では樹氷のような木々が広がっている。
     
    更にスカイラインに入り、小豆島大観音を見て、坂を下るところまで、かなりの距離を吹雪の中で走ることになり、大丈夫なのだろうかと不安が募る。ようやく海が見えてきた時は本当にほっとした。
     時計を見るとそろそろお昼の時間なので、池田港まで下り、道路沿いの「井上誠耕園」のショップの駐車場に車を置いて、そこのオリーブ園の中にあるカフェ「忠左衛門」でパスタのランチを頂く。
     西の瀧にも雪が降っているのではないかと不安だったのでカフェのオーナーに尋ねてみると、寒霞渓のあたりは1000mほどの高さがあり、大麻山はずっと低いので大丈夫だという。昼食が終わる頃には雨も止んで晴れてきたので、満開の一本桜を目当てに再び西の瀧へ上る。境内から見える海の風景は、そこにいるだけで赦されているような心持ちになる。
     友人が小林龍應師に「何とお呼びしたらいいのでしょうか?」と尋ねると、師は静かに答えられた。「行者と呼んで下さい。一生行者でいたいと思っています。」ほんの少ししか時間がなかったが、もう一度お会いできて本当に良かったと思いながら山を下り、再び土庄港から小豆島を後にした。                     
                                                 

    こんぴら歌舞伎

    • 2010.04.21 Wednesday
    • 22:43
    JUGEMテーマ:旅行
     4月13日午前中に室戸岬を後にして、次の目的地琴平に移動するために南国市へ向かった。途中安芸郡芸西村の海に面したカフェで昼食を頂く。すぐそばが海岸で、テラスから眺めると眼下になめらかな砂浜が広がっている。このあたりの海岸は黒い砂である。室戸岬の巌も皆火山岩だったが、ここもそうなのだろう。爽やかな微風に吹かれて海の傍にいるだけで幸せな気分になる。
     旅の前半はいつもの「空海を巡る旅」だったのだが、今回は友人が一緒だったこともあり、ここから先は気儘な遊びの旅に変わる。少し走ると高知自動車道に入り、その途中で分岐して香川県観音寺市に出る。時間があれば友人にも善通寺や海岸寺、満濃池などを見てもらおうと思っていたのだが、考えていた以上に時間がかかり、そんなひまなどないどころか、果たして間に合うだろうかと少々焦ることになる。実は当初考えていなかったのだが、ちょうどこの期間に「こんぴら歌舞伎」が開催されていることを知り、多分無理だろうと思っていたチケットを取ることが出来たので、高知市内で宿泊する予定を変更して琴平に泊まることにしたのである。(チケットだけの販売は終了していて、宿泊とセットになっている分だけ、少し残っているということだった。)
     ホテルに着いた時にはもう14時半を過ぎていた。チェックインをして「こんぴら歌舞伎」のチケットをもらう。とても部屋へ行く時間はないので、フロントに荷物を預けてすぐ金丸座へ向かう。幸い一番近いホテルを選んでいたので、前の坂を2分ほど登るともう芝居小屋に到着した。 開演は15時。演し物は通し狂言「敵討天下茶屋聚」(かたきうちてんがちゃやむら)。席は受付で引き換えるチケットを見て初めて分かったのだが、何とかぶりつきの最たるもので、上手の一番前、舞台の真下の席だった。囃子方がすぐ傍なのは有難いが、拍子木を打ち鳴らす時には、耳に響いてかなり応えた。                                               
     それにしても敵役の安達元右衛門を演じた市川亀次郎(片岡造酒頭と二役)が圧巻だった。悪役なのにユーモアたっぷりで憎めなくて、舞台と客席を駆け回る「住吉の宮境内の場」では追手役がアドリブで「今日ここにいる人は皆、元右衛門の味方らしい。」というほどだった。まだ興行が始まったばかりのせいもあってか、斬る側の源次郎(右近)が元右衛門に出くわしたシーンで、笑いを堪え切れない様子が垣間見えて、これもかぶりつきならではの見物だったかもしれない。
     

    室戸岬

    • 2010.04.20 Tuesday
    • 02:04
    JUGEMテーマ:旅行
      太龍寺のロープーウエイ山頂駅から、麓の鷲の里まで下りてきた時は、もう午後4時を過ぎていた。そこから国道55号線に戻り、再び南へひた走る。トンネルを抜け、日和佐、牟岐を経て、宍喰まで来ると後はずっと海辺の道である。いつの間にかもう雨は止んでいた。ふと見ると海岸の限られた範囲だけ白いものが見える。近くまで行くと海霧である。初めてみる光景だった。
     ホエールウォッチングが出来るという佐喜浜港、夫婦岩を横目で見て、地震研究所、海洋深層水研究所の建物を過ぎると、ようやく今夜の宿所であるホテル明星が見えてくる。すっかり暮れるまでに辿り着くことができてほっとする。車を降りるともう午後6時半を過ぎていた。

     翌4月13日の夜明け前、天気予報では曇りだったので、日の出を見られるかどうかわからないのだが、とりあえず5時半頃にホテルから5分ほどの御蔵洞(御厨人窟みくろどともいう)まで歩いていく。もっと暗いのかと思っていたが、思ったより明るい。白く大きな「青年大師像」の前を通り、少し行くと洞窟が見えてくる。その前にしばらく佇んでその時を待つ。
     ややあって暗い雲の中からほんの少し太陽が頭を覗かせる。友人と二人で思わず「出た!」と叫ぶ。
         
     しかしその2分後、太陽は再び厚く垂れこめた雲の中に入っていって、二度と姿を現そうとはしなかった。まだ朝明けは残っていたので、御蔵洞の中から見てみようと思い、洞窟の中へ入ろうとすると、驚いたことに一人の初老の男の人がそこにしゃがんでいた。「おはようございます。」と言いながらたじろいだ私たちに照れ臭そうに、「私はモデルなんですよ。」と声をかけてきた。                    さらに洞窟の中に入っていくと、何ともう一人、三脚を立ててカメラを構えている人が立っている。なるほど、だから「モデル」なんだな、とようやく納得する。私たちと入れ替わりに出て行くカメラマンが、すれ違う時に呟くように話しかけた。「何度来ていても、なかなか思うようには撮れないものですよ。」
     しばらく洞窟の中から朝明けを見た後、まだ朝食までには時間があったので、海沿いの遊歩道をしばらく歩くことにする。ビシャゴ巖、弘法大師行水の池、エボシ巖、あこう林。こんなに海に近く、岩だらけのところなのに、驚くほど豊かな植生があり、良い香りがする白い花まで咲いていた。(今は名前がわからない。写真を取ったので、調べてみようと思っている。)
     洞窟の中も岩の上からひっきりなしに水が滴り落ちていたが、どうやら海の傍にも真水の小さな池があるらしい。小さな生き物たちが溢れていた。ここは生命の宝庫なのだ。                                                                 
      一旦ホテルに戻り朝食の後、再び近くの駐車場に車を置き、遍路道を歩く。御蔵洞だけでなく、「一夜建立の岩屋」や「捩岩(ねじりいわ)」などの弘法大師ゆかりの聖跡が残っている。

     本当は全部遍路道を歩くべきなのだが、その日はまだかなりの移動をしなければならず、途中で引き返して、車で室戸スカイラインを上り、最御崎寺(ほつみさきじ)と室戸岬灯台に立ち寄る。この岬の突端に立つと、本当に地球は丸いのだと実感できる。
     灯台への道の傍らには菫や蒲公英が咲き、石の道には転々と紫の花びらが散っていた。見上げると野生の藤が満開だった。





    太龍寺

    • 2010.04.19 Monday
    • 00:47
    JUGEMテーマ:旅行
        4月12日の朝、友人を迎えに行った新神戸駅から、ひたすら車で走り続ける。雨は一向に降り止まない。淡路島を縦断する間中、激しい雨は降り続け、明石海峡大橋も鳴門大橋も橋梁の一番上の部分だけがほんの少し見えるだけで、後は全く見えず霧の中である。
      これまで何度も遠くまでドライブをしたが、これほどの雨の中を、しかもすぐ先も見えないほどの霧の中を走ったことはなかった。
     鳴門ICを下りてしばらく走った頃から少しずつ雨は小ぶりになってきて、ようやくこれなら今日の目的地の一つである太龍寺を歩けるな、とほっとする。徳島の市街地を抜け、かなり走って阿南市に入る。これまでひたすら南へ向かって走っていたのだが、そこから西へ走り、鷲敷町に入ると太龍寺山が見えてくる。
     これまで四国八十八ヶ所の中でも難所とされていたが、平成4年秋、ロープーウェイが開通し、山門の前まですぐに登れるようになった。
     まだ雨は降り続いていて、ロープーウエイの中からもやはりほとんど景色は見えなかった。あたりは霧で包まれている。山の中腹でガイドさんが虚空蔵求聞持法を修行されている弘法大師の御像と、黒いオオカミの像を説明してくれる。
     大師像は御入山1200年とロープーウエイ開通を記念して建立されたという。オオカミの方はかつてこのあたりに棲息していたことを証明するために作られているという。

     山頂駅に着くと山桜と八重桜が満開で、あちらこちらにミヤマツツジも咲き乱れていた。山門を上がり、弘法大師の御作と伝えられる虚空蔵菩薩を本尊とする本堂、大師が修業されたと言われる求聞持堂、高野山奥の院を模倣し、拝殿、奥殿式で配立されている大師堂、そして中興堂を経て、鐘楼門まで来て、友人と共にそれぞれ鐘を撞いてみる。思った以上に澄んだ音色である。

     鐘楼門の向こうには本坊があり、その正面の大廊下の天井には四条派の画家竹村松嶺によって龍が描かれている。さらにその隣には護摩堂がある。本尊は興教大師の御作の不動明王である。                                   
     弘法大師御入山以降、護摩の火を守り続け、毎日護摩供を修法し、「太龍寺の日護摩」として古来より信仰を集めているという。
           
     本坊の庭には枝垂れ桜が満開だった。想像していたよりももっと深い山の道場に、海のように雨は降り続け、花を囲み、花を浮かべて、なおも降り続けていた。

    小さな石楠花(シャクナゲ)

    • 2010.04.11 Sunday
    • 01:41
    JUGEMテーマ:日記・一般
            
     娘が生まれた年に植えた菊桃(花弁が菊のように細い花が咲く桃)が、昨年枯れてしまったので、その後に小さな石楠花(シャクナゲ)を植えた。「紫玉」という名前が付いている。
     紫色はほんの少し寂しいイメージがあるが、朝の庭で見ると、この花の周りだけ光が集まっているように思われる。
     写真を取った時はその逆の夕光に照らされているのだが、朝よりも艶やかな感じがする。

     秋からずっと忙しかったり体調を崩したりして延期していた、「惟」の連載のための「空海を巡る旅」へ、週の初めに出かけることにした。本当は室戸岬で日の出を見たいと思っているのだが、天気予報によるとちょうどその日は雨。何とか前倒しになって、雨雲が早めに通り抜けてほしいと願っている。
     

    手植えの枝垂れ桜

    • 2010.04.02 Friday
    • 23:55
    JUGEMテーマ:日記・一般
           
     中庭の枝垂れ桜がもう七分咲き位になった。南側の大きな庭の方は全く硬い蕾のままなのに・・・・・。阪神淡路大震災から3年後の1998年2月27日に、私の背丈の半分位の大きさの苗を植えた。(実はほとんどの苗を植えた日付を日記に付けている。)
     いつもの草花の苗を植えるシャベルではとても無理なので、昔から庭の隅に置いていた大きなスコップで、かなり大変な労力を費やした。何しろその中庭には、地震後に解体した昔から建っていた大きな母屋の、瓦やガラスやその他の瓦礫がいっぱい埋まっていたからだ。
     それから3年間は全く花を見ることはできなかったが、ようやく背丈を越えた頃からちらほら花を付けるようになった。最初の年は2,3輪。年毎に倍加するように花を付けていった。
     今年で12年。手植えの桜を贔屓目で見ているわけではないが、なかなか見事な咲きっぷりである。やはり何事も10年の歳月を経ないと、ものにならないということなのか。
     これから10年後、枝垂れ桜はもっと立派になっていることだろうが、植えた方の私自身が侘びしくなっていないように、日々暮らしたいものだ。
     

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    辞書

    ☆〔五大ごだい〕地・水・火・風・空の五つをいう。一切の物質に偏在して、それを構成するもととみて大という。 ☆〔六大ろくだい〕仏教用語で、万物を構成する六つの要素。地・水・火・風・空・識。六界。密教では法身大日如来の象徴とする。 ☆〔識しき〕仏教用語で、対象を識別する心のはたらき。感覚器官を媒介として対象を認識する。六識・八識などに分ける。 ☆〔法身ほっしん〕仏教用語で、永遠なる宇宙の理法そのものとしてとらえられた仏のあり方。

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