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- 2016.05.18 Wednesday
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夢の船出
作詩:紫野京子/作曲:三善有希乃/歌手:船木サチコ
今日ほしいのは夢だったから
大きな大きな
アド・バルーンをあげたのです
赤と白の縞になって
夢は遠く海の方にまで
揺らいでいます
小人の国のお船のように
黒い小さな影絵の船が
ガリヴァーの希望を積んで
船出しました
おだやかな航海ののち
再びこの港に錨をおろす時は
虹をくぐって
落ち椿 作詩:紫野京子/作曲:大久夏織/歌手:千賀恵子
花のトンネルを抜けて
小さな溜池の畔(ほとり)に立つ
一本の紅椿の木の下で
落ちた花を繋いでゆく
幼い頃 前栽(せんざい)の茂みに隠れて
かくれんぼの鬼を待っていた
いつまでも来ない鬼を待ちながら
散り果てた紅い椿を見つめて
来なかったのは鬼だけではない
時もまた 止まったままだった
けれど今 時は矢より速く
忘却の海に 雪崩れ込んでゆく
それでもあの頃 いつも傍にいた
小さな弟の姿が
瞼の裏に焼きついて
沙羅の木の幹に 蔓が巻きつき
満開になった ヘブンリーブルー
天の庭にも沙羅が咲き 空を映した花まで
枝に絡まって咲いているに違いない
昼には萎(しお)れてしまう青い花と
夕べには地に落ちる白い花
この地上でひとに出会い 夢を見て生きてゆく
そのいのちは いつも 別れと隣り合わせ
忘れ果てることなど決してないと思いながら
いつか記憶も ひとひらずつ
散ってゆくのだろうか
死ぬことも 生きることも とても切なくて―
それでも信じている 思い続ける限り
亡き人は今も 心のなかで生きていると